チーズはどんな味が?

チーズの「熟成学」とは、ワインにおける醸造学のようなものである。風味(刈られた牧草、干し草、土壌など)や芳香(牛乳、ヘーゼルナッツなど)の多様性、熟成の複雑さ、チーズの形やテクスチャの多様性から混乱してしまうこともある。

チーズ、7つの風味と75の芳香

チーズを味わうことは、感覚器官を高める真の出会いのように実感され、外観、テクスチャ、におい、味が、視覚、触覚、聴覚、味覚-嗅覚器官(鼻、舌、口)の全てを巻き込む。

一般的には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つの味を区別することができる。 しかし、チーズに関してはむしろ7つと言える。

チーズには、においが肝要だからである。においは、チーズの揮発性物質の香りをかぐことで感じることができる。においとは、体によって「感情的」に知覚されるため、特徴づけるのが非常に難しい。

また、チーズが口の中に含まれた際に経鼻的に感じられる芳香も関係してくる。チーズを噛み唾液と触れさせることで芳香が放たれ、空気と接触し鼻へと上っていくのである。

 

Chaource et sa gelée-parfum

© T.デュヴァル / CNIEL

チーズの7つの風味

「風味」とはいったい何か?

感覚の面においては、舌の味覚感受部位に基づいた4つの主要風味を区別できる。しかし1908年に日本の理学部教授であった池田菊苗は、昆布ダシに4つの風味のどれにも当てはまらない味覚を発見し、これを「美味しい」という意味の「うま味」と名付ける。1980年代以降は、4風味理論の支持者からも認められ、この5つ目の概念は、風味の分類に公に加えられることとなった。

しかしながら後日、この舌の感受部位による分類は、えぐ味、ピリッとする味、金属っぽい味、脂っぽい味、でんぷんの味といった概念が他に存在することから、その分類は限定的であることが判明した。

また、「風味」と「芳香」を混同してはならない。芳香とは、舌では感じることはできないものの、チーズが口の中に含まれた際に鼻を通じて感じられるものである。チーズを噛み唾液と触れさせることで芳香が放たれ、空気と接触し鼻へと上っていくのである。

2011年度の国家最優秀職人章に選ばれた、トゥールーズのチーズ店『グザビエ』のフランソワ・ブルゴンは、その謎の鍵を開く。「個人的には、表現のレベルだと言いたい。味覚とは非常に個人的、主観的、文化的で、小さい頃からの食習慣によって決定されるものであって、数人の著名なチーズ職人が、各々の経験に基づいて風味の分類をしたものである。」

 

フレッシュな風味

わずかに酸味のある、クリーミー、乳酸状の風味である。この風味は、プティ・スイス、フラマージュ・ブラン、カードといったなめらかまたは少しざらざらしたテクスチャのある新鮮なチーズで味わう事ができる。

 

中間的な風味

この風味は、殆どの非加熱圧搾チーズ/低温殺菌乳チーズを特徴づけるものとなる。同様に、青カビチーズやウォッシュチーズを除いた熟成期間の短い若いチーズにもこの特徴が当てはまる。この「中間的な」風味を持ったチーズは、その強すぎる味が理由でチーズをあまり好まない人に適する。

 

マイルドな風味

この風味は、特に生クリームを加えて製造するチーズに当てはまる。というのは、生クリームによって酸味がなくなるからである。ブリア・サヴァランやクレムー・ド・モン・サン=ミシェルなどがある。白カビチーズの殆ど熟成していないものや若いサン・ネクテールといった熟成期間が短い軟質タイプのチーズや非加熱圧搾チーズでもこの風味を味わう事ができる。

 

控えめな風味

この風味は、一般に完全に熟成する前に熟成が中断されたチーズで味わう事ができる。軟質タイプのチーズ(カマンベール、マンステール、マロワル、クロミエ、シャウルスなど)や、熟成期間が3ヶ月以内の圧搾チーズ(ルブロション、カンタル)などが挙げられる。また、シトー・ド・ラベといった表皮が薄い修道院チーズやヴァシュラン・モンドールやラクレットなどの特別な製法で作られるチーズも挙げられる。

 

ハッキリとした風味

この風味は、「特徴のあるチーズ」を連想させる。この風味は、あまり濃厚ではなく、熟成期間が「ミディアム」の「良くできた」チーズを表しており、カマンベールAOC、生乳で作られたブリー、シャブリで洗って仕上げたブルギニョン、キュレ・ナンテなどが挙げられる。この単語は、ボフォールといったしっかりと熟成されフルーティーな加熱圧搾チーズにも使われる。伝統的な製法で作られたトムや、3ヶ月以上熟成させたオーヴェルニュ産のチーズなどでもその風味を味わう事ができる。もちろん、シーズン初めのブルー・デ・コースといった青カビチーズも忘れてはならない。

 

強い風味

この概念は、一般的ににおいは強烈であるものの味はそれほどでもない、濃厚で、ゆっくり熟成させた軟質タイプのチーズ(リヴァロ、マロワル、エポワス、マンステールなど)や、しっかりと熟成された青カビチーズ(フルム・ダンベール、フルム・ド・モンブリゾン、ブルー・デ・コース)、または完全に熟成させた濃厚な圧搾チーズ(フルム・ド・カンタルなら6ヶ月、ボフォールまたはコンテなら10〜22ヶ月)などがある。

 

強烈な風味

ピリッとした、さらには熟れた味までもするこの風味は、一般的に漬け込んだチーズ(トム・オ・マール)、熟成期間が非常に長いチーズ(ブーレット・ダヴェーヌ)、しっかり熟成させたブルーチーズ(ブルー・コルス、ロックフォール)、特別な製法で作られたチーズ(サン・マルセラン・オ・ジェヌ・ド・マール)で味わう事ができる。

「美しいものを作り上げるのに、画家は多彩な色を、音楽家は多彩な音を、料理人は多彩な風味を使いますが、7つの色、7つの音、7つの風味があるのは非常に驚くべきことです」。「ブリア・サヴァランの地方の食卓」の著者、弁護士、そして美食家でもあるルシアン・トンドレ。

チーズをどうやって切るか?

円形、四角形、ハート形、ピラミッドなど。
フランスでは300種類以上のチーズが作られている。

フランス産チーズのカット方法を学ぶ。